2017

 

 

あなたが聞き続ける音楽や、

着続ける服、使い続ける道具、

それらの中にわたしは、

わたしの知らないあなたを見つけます。

 

あなたは、けしてわたしを見ない。

だけどわたしは、その時その時の、

誰かや何かに夢中だったあなたの

表面を撫でるように、

残像だけを寂しく見つめています。

 


これは、後ろ向きな言葉ではありません。

深くまで知っているつもりでいるあなたこそが、

実はとんでもなく遠くにいること、その事実にいつも、

新鮮な驚きを感じているのです。

きっと何年経とうと、あなたは過去から来た人です。


見え隠れする影までもが、まるで花の名前のようで

少し、きれいに感じられるほどです。

 

f:id:tinui:20180901113259j:image