2017
あなたが聞き続ける音楽や、
着続ける服、使い続ける道具、
それらの中にわたしは、
わたしの知らないあなたを見つけます。
あなたは、けしてわたしを見ない。
だけどわたしは、その時その時の、
誰かや何かに夢中だったあなたの
表面を撫でるように、
残像だけを寂しく見つめています。
これは、後ろ向きな言葉ではありません。
深くまで知っているつもりでいるあなたこそが、
実はとんでもなく遠くにいること、その事実にいつも、
新鮮な驚きを感じているのです。
きっと何年経とうと、あなたは過去から来た人です。
見え隠れする影までもが、まるで花の名前のようで
少し、きれいに感じられるほどです。